君に似た男を知っている

君に似た男を知っている
紅い狐に知らんぷり
割れた鏡の行方は知らぬ
雲居に手が届く
わしらのことがわかるのかい?
後ろを見てはいけないよ
次はあなたが見る番
落とした下駄
鈴の音が聞こえた
朽ちればいいのに
早く耳を閉じなさい
かんなぎが消えた
椿を隠した
柳のかくれんぼ
鳥居の中に隠れた女の子
坊やはもう帰っていけない
花曇りのような午後
神隠しに憧れたあの日
もうあの子はいない
童歌も歌えない幼子
遊女の言い付け
火遊びみたいな世界
苦しみながら生きたい
絶望に終わったあの世
幽かに消える
他言無用の逢引
女郎蜘蛛の高笑い
破魔矢が折れた夜中
泣き喚くことしか出来ない
全ては神様の手の内
山嵐が鳴いている
まじないは成功しました
しっぺ返しをされた化け猫
君に恨み言を吐こうか