最期に貴方に会いたかった

最期に貴方に会いたかった会って話をしたかったもうそれが叶わないと言うことは貴方は死んだのですね嗚呼なんと言うこと最愛の貴方が死んだなんて世界はこんなにも無情なのですねこんな世界殺してやりましょう貴方にさえ会えないなんてきっと愚かも甚だしいわ決まり切った王に豪華の限りを尽くす王妃家臣は腰巾着民は苦しんでいるばかりなにもかも間違っている貴方さえいればなにも要らないのに神はそれを奪ってしまったならば私が正すしかないでしょう右手にナイフを左手に貴方の屍をそれならば誰でも殺せるわええ私の言う通りにして下さいはい今なんと言いましたか私が間違っているとあら頭でも可笑しくなりましたかそんなことはありませんおや私の前に沢山の民がおりますね農具で私を殺せるのかしらさあ殺してみなさい私はここに在りますから
とある狂った女の独り言
――さあ、始めましょう。


君を殺してみたかった君はとても綺麗だから殺したらどうなるのかと思った実際殺してみたらそれはそれは神々しかったどうして君はそうなの僕なんか虫けらや雑魚に成ってしまったじゃないか君の死顔は嗤っていたこの世界の有様を皮肉な君の哄笑は見ていて気分がよくなった嗚呼君に成りたい君に成って君を知りたいそれは赦されないことかい例え罪を背負っても君を知りたいこれは一人の男の恋だ僕は君に恋しているんだだからお願いだ逃げないでくれ去らないでくれ君を殺したから君はもう喋ることはないのだろうそれでも殺したかった犯したかったそうだ僕は君の死体を犯したとても気持ちよかった嘲るかい僕のことをそれでもいい全てはこうなったんだ僕が世界を変えた君を変えた君は地獄に堕ちたついでに僕も堕ちた僕はね
堕天使はネクロフィリア
――最高、だ。


私は女武者ですそんな私を嗤う方もいますが少なくとも私は武人です侍です私の愛刀はよく斬れます戦が好きですだって人を殺せるのですから私は武人であると同時に殺人者です殺人鬼ですいや殺戮者です惨殺です斬殺です私のことを獄門と呼ぶ方もいるようです確かに私は首を斬ります斬った瞬間血が飛び首が飛び身体が飛ぶのは愉しいです人間と言うものは面白いですだから私は早く死にたいのですですが私の首を斬ってくれる者は中々現れません自ら死ぬのは愚の骨頂ですならば私が殺してあげたものを今日も戦です私は例え殺人に魅入られたとしても殺人に犯されたとしてもこれを止める気は更々ありません私の周りの者は全て殺しました私は世界に独りですそれも一興ですね
女武者が殺した
――世界は、殺しました。